入道雲と緑稲  抄読会ー6月後半

2014年06月17日

丹後にて思うこと

 さて昨晩は、本日の出張業務に備え、最終の舞鶴号で移動(風情あふれるディーゼルカーで、音が少々やかましいという方もおられますが、個人的には大好きです。綾部駅で切り離され2両ぽっちになってしまいますが、またそれが愛らしい)、前泊。いつも泊まっているホテルがいっぱいなので、違う施設に宿泊しました。先週の研修とコートジボアール戦敗戦のせいか疲れ果てておりますので、どこにも食べにでず、というより飲みにでずと言った方が正しいかもしれませんが、何せ外出しませんでした。12時には健康的に就眠し、翌朝は5時過ぎに起床いたしました。

 こちらのT部長は元々当院で一緒に働いておりました。周知の仲です。先日の横浜の麻酔科学会の折も中華料理を共につつき、紹興酒を酌み交わしました。当院からは週の半分近くを支援しておりますが、なかなかそれでも忙しいと。同じ府内の日赤という関係はもちろん、北部医療を支えている中核病院として私達は尊敬しており、医局員みな、可能な限り支援を続けたいという考えで一致しています。支援というと大変おこがましい言い方かもしれませんが、私達自身にもメリットがあります。月に一度であっても、都市部で働いている私達が地域医療に参画するということは、重要な評価事項に今後なってゆくと思います。国としてはもちろん地域間格差を是正したいと考えているでしょうが、なかなか常勤レベルでの医師の都市部から地方へのシフトが進んでいかない。となれば少しでもこれを緩和しようとするならば、臨時でも地域医療に携わっている医師とそうでない医師を差別化しようとするのは至極当然と思われます。そのうち地域医療従事歴が重要となる時期がやってくると私は考えております。

 地域の人材不足に少し言及しましたが、都市部には存在しないでしょうか?当院においても不足自体は生じます。曜日によって定期手術件数が異なり、多くなる日は、相対的に不足となることがあります。当院の手術室は10室で、1部屋を緊急手術対応様にあけています。従って中央手術室としては9部屋稼働。周産期センターには帝王切開用の手術室がありますが、経腟分娩兼用。また救急外来にも手術室がありますが、ここは状況により、使用できないこともあります。ですから実質10室で年間4000件を超える麻酔科管理を行っています。部屋運用としてはかつかつで、曜日によっては10室スタートや、非常にリスキーですが、11室スタートとなることもあります。フルスペックで対応してもかなり苦しいことがあります。実は助かっているのは研修に来ていただいている先生方。今春まで産婦人科医として当院で働いていたU先生、開業に備え、spinalを中心とした麻酔技術を復習したいとのことで週4来ていただいています。件数の多い日はU先生の存在が威力を発揮します。これはU先生、私達ともwin-winの関係と言えます。当院は総合周産期センターでもあるので、産科麻酔研修にはうってつけと考えます。以前は平日すべての日をカバーする研修に固執しておりましたが、U先生のケースを考えるとそうでもなく、2日、あるいは1日でも来ていただくだけで、お互いにメリットがあると思われます。

 結局win-winの関係を作ることが、地方でも都市部でも肝要ということでしょうか?

               平田 学



mh5963ya at 21:44│Comments(0)

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