術後疼痛懇話会道との遭遇

2014年08月17日

 大文字焼きではありません。送り火です。

 本日は送り火の日、先週の土曜のような忙しさなら病院で見ることになるのでしょうか?京一からは実はかなり多くを見ることができます。右は山に隠れてたしか無理ですが。

ヘリポートに行けばよく見えるでしょうが、行ってはいけません!

 昨日の医局会での抄読会はM先生。”Prolongation of QTc interval after postoperative nausea and vomiting treatment by droperidol and ondansetron.” まず、M先生よりPONVについて疫学、機序、治療についての概説。欧米ではPONVの治療薬としてはondansetronはメジャーであるようです。恥ずかしい話、ondansetronQTを延長する話はあまり知りませんでした。結局投与によるQTの延長は同程度であると。そうであれば、まるっきり適応外であるondansetronを使用する意味合いはあまりないのではないか?ドロペリドールはTDPを起こしうる薬剤として有名です。従って術中いつ投与すればよいかが議論のまととなりますが、1mg以下の少量であれば、この論文では手術終了間際が一番PONVの予防効果もありよいのではないかとの結論。問題は投与後どれくらいQTを延長しうるかという点。2時間までとあるので、個人的にはこれを術中の観察期間に含めたいと、すなわち手術終了前2時間には入れておきたいところですが、これにはY先生が反論。多施設試験で、ドロペリドール投与によるTDPは皆無であったとのこと。Risk vs Benefitを考えれば、終了間際の投与がやはり良いのではないかと。結局当科では、終了間際に投与し、病棟ではECGモニターを注意して観察となりそうです。

 研修医の先生にはいじわるな質問をしてみました。「麻酔中のQT延長をきたす代表的増強因子はなにか?」一部の薬剤という回答はでてきましたが、低体温は挙りませんでした。最近は皮膚温もモニターして管理させていたので、ちょっと残念でした。

 本日はICUの日勤で、17時以降はオンコールです。はたして送り火は見られるのでしょうか?そもそもこの豪雨のなか送り火は決行されるのでしょうか?

 

                     平田学



mh5963ya at 09:52│Comments(0)

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