道との遭遇短編

2014年08月23日

生きた化石燃料

 今週の抄読会は今月ICUをまわってくれたN先生。JAMAから” Dexmedetomidine vs Midazolam or Propofol for Sedation During Prolonged Mechanical Ventilation.

Two Randomized Controlled Trials” ざっくりと無作為二重盲検多施設試験で、24時間以上の鎮静が必要な人工呼吸症例をミダゾラム対デクスメデトミジン、プロポフォール対デクスメデトミジンに割り付け、RASSを用いて評価された目標鎮静域達成時間、人工呼吸期間、痛みの程度を伝える疎通性、ICU在室期間、入院期間、死亡率を比較したもの。

長期人工呼吸患者の軽度から中等度の鎮静コントロールおいて、プレセデックスはミダゾラム、プロポフォールに比し劣っていることはなく、疎通性については明らかにプレセデックスが優位であったが、ICU在室期間、入院期間、死亡率には差がなかった。

DEX使用であっても鎮静不十分であれば、他のamnesia効果を持つagentをレスキューとして使用可としています。大手術直後の不安定な時期はDEXを主とする鎮静は難しいのではないかと思いますが。術後の患者について言えば、単剤メインというより、bridgingが重要なのではないでしょうか?

麻酔の方はというと、LMA管理時にagentとしてのデスフルラン使用経験を重ねて行っています。もちろん筋弛緩薬は原則使用しません。導入時にスパスムが生じやすいとよく聞きますが、静脈麻酔薬を若干多め、またフェンタニルを上手く使えば問題ないと個人的には思います。ただLMA挿入時の呼気デスフルラン濃度が6%以下ではやはり、麻薬をいれてもスパスムを誘発する可能性が高いため、もちろん一時的ですが、吸入濃度は8%超としています。術中、もちろんレミフェンタを併用します(僕は経験なく、聞いた話ですが、TKAなどで強い振動刺激が加わったときに鎮静不十分な場合はその刺激でスパスムを誘発する可能性があるそうです)すが、フェンタニルメインで、レミフェンタは補助としています。吸入濃度もやや濃いめ。いまだスパスムの経験はありませんし、やや深めの麻酔ですが、覚醒遅延もありません(一応フェンタの効果部位濃度予測はしています)

麻酔科たるものたまには麻酔をしないと化石になってしまいそうです。化石も燃料で使われるなら価値がありそうですが。

 

                            平田学            

 

                



mh5963ya at 13:24│Comments(0)

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