プロトコールノン・リベラルです

2014年11月16日

巨人-中日-阪神

 金曜日は麻酔周術期医学研究会。私もHES130導入に伴った術中アルブミン製剤使用量減少を中心に発表しました。いつもながらS先生の講演はアカデミックで明快、さらにS先生ご自身の立ち位置を明確な論拠を持ってストレートにお伝えられていました。座長も言われていましたが、私もS教信者になってしまいそうです。その中で言及されておられたのが、sepsis に対するGDTにおける輸液負荷は早期に多くされているほうが予後がよいのではないかという点。はっと思うところがありました。

 予定手術においてPGDTを施行する上では、安全にかつ大量に使える人工膠質液が重要となります。HES130には血管内皮保護機能があるため、適切な使い方をすれば、臓器保護的に働く可能性が高いと思われます。また早期に使用することにより総輸液量を減らすばかりでなく、その晶質液の占める割合を減らすことが可能となります。晶質液それ自体にはグリコカリックスを中心とした血管内皮障害が報告されているため、高侵襲、長時間手術ではsevere sepsisと同様の病態を示してくると思われます。一方sepsisではGDT中の人工膠質輸液は予後を悪化させるという考えがほとんどです。この違いはごく初期のphaseでの血管内皮障害の有無に依存しているのではないでしょうか?予定手術では重症の糖尿病や膠原病を含む活動性の炎症性疾患がない限り、血管内皮障害はベースにないと思われます。一方sepsisではどうでしょうか?早期からの内皮障害マーカーの上昇を示す報告が多いと思います。私は予定手術例では、比較的早期より充分量の人工膠質液を投与しますが、これは晶質液による血管内皮障害が顕著となる前に可及的に必要量の人工膠質液を入れた方が、人工膠質液による血管内容量保持効果に有利と考えるのが理由の一つです。また内皮障害後の人工膠質投与それ自体により引き起こされる浮腫と続発する臓器障害を危惧しているという理由もあります。すなわち1000mlの出血が認められたから500×3=1500mlの外液輸液を行い、残りの500mlは等価のHESで補おうという旧来のやり方ではすでに後手に回っていると個人的には考えています。話を元に戻します。S先生のおっしゃっていた“sepsisにおいて早期に・・・”の点についてですが、同じ輸液量を投与するのであれば、より早期のほうが、sepsisに伴う血管内皮障害が軽いと考えられ、血管透過も少なく、また輸液自体による血管内皮障害自体も軽度となると私は考えます。こういった点も予後をよくするかもしれない要因の一つになり得れば面白いと考えます。

 そして特別講演のY先生。あれ?少しイントネーションが懐かしいと思っていましたら、愛知県のK市がご実家とのこと。Y先生も聡明な先生で、ICUにおける血糖管理を中心に、また栄養管理も含めてお話されていました。なぜ血糖管理が重要なのか、私のような素人にもわかりやすく、理路整然と説明されました。グルコースクランプ法によるインスリン抵抗性測定やそれに必要な人工膵臓など、まるで内分泌科の先生がやっているようなことをベースにされており、その専門性に感銘しました。あと最後のPRにでてきたカツオのたたきがうまそうで、2次元情報であるはずなのに、3次元情報の立体感を感じました。さらにうまそうな香りという高次元情報まで付帯しているかのようでした。2年後には高知で臨床麻酔学会が催されるということで、是非ともこの京都では私達がほとんど味わうことのできない、異次元カツオを味わいに行きたいと思います。

 
昨日は昼過ぎに関西マンスリーに。怒られそうですが、
1年程参加していませんでした。

8題もでておりました。左房腫瘍摘出術後の左房ない血腫や筋緊張性ジストロフィーの麻酔管理など、興味ある症例を聴講できました。また症例検討会後の特別講演は、普段あまり私達がfocusしない覚醒-抜管について述べられており、興味深く聴かせていただきました。

 

 そういえば
GDTってGIANTS-DRAGONS-TIGERSの頭文字でもありますね。来年のペナントレースはこの3チームがkeyとなるのでしょうか?

                       平田学

 



mh5963ya at 10:15│Comments(0)

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