師走に走らされるのは?まだまだ青いよ

2014年12月07日

師走初回勉強会

 12月初めの勉強会は抄読会形式ではなく、研修医先生向きに局所麻酔薬の総論についてM先生よりレクチャー。

 Naチャンネルについての概説とその分布。分布に絡めて、副作用とその発現順序についての説明。各局所麻酔薬の極量。物理化学特性について;脂溶性、タンパク結合率、pKa等について研修医の先生に質問をしながら進めていかれました。そして重症治療時に用いられるとしての脂肪製剤の用法、用量についての説明。

 かなり研修医の先生の食いつきも良かったと思います。M先生、全身麻酔中の中枢神経副作用はマスクされているので、注意しなければならないと強調しておられましたが、確かにそのとおりです。ただ痙攣波が出た時にBISで疑うことはできないのでしょうか?Cardiothorac Vasc Anesthに投稿されたSeizure after aortic clamp release: a bispectral index pitfall.には大動脈遮断解除時の痙攣波をEEGで捉え、その際BISの急激な変化が見られたことを提示しているし、Anaesthesiaにはレミフェンタニルによって誘発された全身性痙攣時にBIS値の急激な低下を認め、プロポフォールの投与により前値に復した症例を提示しています。痙攣時にBISは上るケースもあれば下がるケースもあり、これは発作時の脳波波形とBISのアルゴリズムに依存していそうです。麻酔薬により痙攣閾値がどうなるかは、もちろん種類によって違うと思いますが、通常より多めの局所麻酔薬を使用しており、この投与と因果関係を持って急激にBIS値が変化するようであれば、raw EEG画面で波形を確認、疑わしければ、全身麻酔中の局所麻酔中毒も鑑別に入れる必要性があると考えます。

 

私の勤める病院では師走に入って、昨年同様、臨時、緊急手術が急増しています。昨日も5例以上(19時時点)の手術があり、複数直並列となりましたので、私もサポートに行きました。今年は麻酔科管理件数が減るのではないかと思っていましたが、この師走の追い込みを考えると今年も4000件を超えていきそうです。来年は数を増やすということより、全スタッフの福利厚生を主眼目標に尽力してゆきたいと思います。

 

                          平田学

 



mh5963ya at 10:43│Comments(0)

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