周術期水分管理セミナーグリコは元気の源

2015年12月13日

ニロとカゴメ

 近赤外線モニタリングは特に脳血流評価のために応用されています。当科ではINVOSを用いていますが、最近NIROを使う機会がありました。NIRO=Near Infra-Red Oxygenation monitorの略だそうで、登録商標です。総称はNIRS= Near Infra-Red Spectroscopyで測定している深さは成人前額で約3cm、脳実質表面から1cmの深さに相当するので、大脳皮質と髄質の一部の血流を評価していることになります。

パルスオキシメトリとの違いはNIRSが組織の拍動成分と非拍動成分を総合して酸素化ヘモグロビンを算出しているのに対し、パルスオキシメトリは拍動成分をターゲット、すなわちおおざっぱにいえば動脈成分をターゲットとしている点が違います。血液ガス分析でいえばSaO2ScvO2との関係に類似しているように思えます。後者は組織代謝もパラメータの一部に含まれ評価できますが、若干追随性が悪いと考えられます(意外とNIROは早い印象があるのですが)

特徴は酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの比を求めることにより虚血、低酸素、鬱血、血流上昇の鑑別できる可能性があること。

鑑別
 

当科では1か月に1回程度新生児科の先生方とN合同カンファを行っています。新生児の手術は中央手術で行うこともありますが、搬送自体がハイリスクな超低出生体重児の場合、NICUで行わなければならないこともあります(気道トラブルや低体温が致命的となる場合もあるのです)。新生児科の先生方と共通のコンセンサスを保有することは医療安全上も重要と考えておりますが、最近私の都合がつかず、2か月に一回程度しか開催できておらず、申し訳なく思っています。せっかくNIROを使っているので新生児科の先生方にも興味を持っていただくよう2014年のNeuroImageからNear-infrared spectroscopy versus magnetic resonance imaging to study brain perfusion in newborns with hypoxic-ischemic encephalopathy treated with hypothermia をざっと読んで提示してみました。研究目的は脳低体温療法を行っている新生児低酸素虚血脳症例でNIRSおよびMRIで測定された脳潅流指標が相関するかどうかを見るため。デザインは前向きコホート。出生後6時間以内にNICUに入室し、①胎生36週以上、出生時体重2000g以上 ②胎児仮死;出生時急性イベントや臍帯血PH7.0以下 ③新生児仮死徴候出生10分後のAPGAR score5点以下、出生1時間以内のガス分析上PH7以下あるいは出生後10以上の人工呼吸 ④新生児科医師の診察による新生児脳症の診断あるいは振幅統合型脳波の異常所見  以上の診断基準を満たす症例は全身低体温療法を導入し、食道温を33.5℃までさげ生後6時間から72時間この温度を維持し、その後12時間かけて復温しました。振幅統合型脳波所見から中等症と重症に分類し、NIRSは低体温維持期と復温期に装着され、MRIは低体温時に1ないし2回撮られました。MRI画像2スライスから得られた局所脳血流量とNIRSから得られた混合静脈血酸素化指標が12症例で比較され、両者にR=0.88の有意な相関を認めました。低酸素虚血性脳症新生児ではMRIを撮りに行くこと自体が非常にストレスフルであると同時にリスクも高く、ある程度非侵襲のNIRSで脳血流を評価できるのであれば非常に有用であると考えます。上記にのべたように酸素化-脱酸素化ヘモグロビンがさらに評価できればイベントの鑑別ができる可能性もあり、さらに有用性が上がるのではないかと思います。

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  もう3週近く経ちましたが、天橋立へと足を伸ばしてきました。一度も歩いて渡ったことがなく、思い立ったので行ってみました。福知山駅で青松号に乗り換えです。確か赤松、黒松もいたような、おそまつな私が乗車してもよいものでしょうか?001

 

 大概のみなさんはレンタル自転車を利用されていました。脇目も振らず対岸へ。元伊勢の籠神社に参拝。その後目的の奥宮の真名井神社へ。004
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ものすごく落ち着きます。真名井の水は触れただけで若返った気分になります。あめのかごやまがあります。あまのかぐやまではありません(大和にあるほうがレプリカ?きっと怒られるな、すみません)。このかごが籠につながっているのか?あると思います!ありがたいお加護が。008

  帰りは丹後の山々を見ながら、いつもの弁当ビールでゆっくり帰洛させていただきました。やはり丹波路、丹後路はなつかしい感じがします。

 

                           平田学

 

 

 



mh5963ya at 04:17│Comments(0)

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