新年に思うムシをムシできない

2021年02月02日

新しいレトロ

 はるか30年程前の生化学の知識が今まさに応用されているとは。もっと興味を持って勉強しておくべきであった。レトロウィルスのホラーチックな逆転写の様式等が現在のウィルス感染症治療に応用されているとは。もう一度その当時の講義が聴けたら、一言一句ノートに激記したに違いありません。

 考えてみれば単純なこと。DNAの複製には厳重なチェック機能があるため変異が起こりにくい。よりRNAでは起こりやすいこと。レトロウィルスは逆転写の過程でエラーを生じやすく、その修正機構もないので、変異が起こりやすい。だからHIVに対するワクチン療法は有効とならない。SARS-CoV-2mRNAワクチンは細胞内でスパイクタンパクを作らせ、これに対して抗体産生を促すとともに、細胞性免疫も不活化するらしい。ただウィルス自体のスパイクタンパクを合成する領域に変異が起こる頻度は低いのだろうか?SARS-CoV-2HIVウィルスの変異頻度はほぼ同程度であるという記載も目にします。そしてHIVに比しSARS-CoV-2が蔓延している現状を考えると、総複製回数が増えているのは明白であり、エスケープするものが早期に出てくるのではないかと素人ながらに危惧します。

もちろん複製機序が違うので同一に扱えられるものではありませんが、HIVに対するワクチン療法が奏功しないのを考えると、今回のワクチンはどうか・・・ただ私個人は医療人としての責務より早期接種を受けるつもりです。

 やはり治療薬の開発でしょうか?SARS-CoV-2の標的はACE2で、ここに介入できる薬として、ARDS治療薬のヒト組み換え可溶性ACE2があります。これをおとりにして、ウィルスのタンパク合成を阻害するセリンプロテアーゼ阻害薬を取り込ませるというような治療薬の開発はできないのでしょうか?C型肝炎のワクチンが実用化されなかったが、のちに治療薬が開発されてかなり駆逐されたように、Covid-19も同じ運命をたどるのではないかと期待しています。

 感染流行の盛衰を俯瞰すると、社会的要因以外に気候学的要因が大きく影響している気がしてなりません。第1波は昨年45月。春から初夏の乾燥期にあたります。そして8月の第2波は灼熱の時期、私達の免疫能低下が要因でしょうか?高温多湿の期間でウィルス自体の活性は低く、長続きしませんでした。そして10月からの第3波、乾燥の時期に入ってから増え始め、12月に入り低温の影響を受けると急に活性が上がり感染者数が増えました。私達の体は極端な高低温に弱く、慣れて免疫機能が修正されるのに2か月程かかるように思われます。夏に比べウィルス活性が強いため、波は夏の第2波に対して高いのでしょうが第2波の増減傾向を考えると、2月の半ばには自然減していたのかもしれません。ただ冬のウィルス活性の強い時期はその波を小さくするため、社会的要因の影響排除がより重要となるのでしょう。

 ひょっとしたら、Covid-19の流行パターンは、他のウィルス同様気候要因がベースにあるのかもしれません。ただ社会的要因影響が他のウィルスと比べものにならないほど強いため、複雑になるのかもしれません。次は春の乾燥期、昨年と同様45月の第4波?到来に注意が必要かもしれない???

                 平田 学



mh5963ya at 09:54│Comments(0)

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