新しいレトロ中年麻酔科医の頭のリハビリは大変

2021年05月01日

ムシをムシできない

 ワクチン接種を終え、不思議だったのは若年者と中年層の反応の差。有意に昭和40年世代に全身性副反応が少ないように思われました。50歳を境として見事に有症状率に差があるように見える、これは私たちおっさんの自然免疫およびその後の獲得免疫応答が弱いせいなのでしょうか?私はそうは考えません、というより考えたくありません。確率的には若年者の中にも症状の弱い人がいてもおかしくないと思うのですが、ほとんどいませんでした。

ひょっとして私たち50歳台の幼少期の(衛生)環境が影響していたりするのでしょうか?私たちが小学生の時代は、今から考えるとおそらく季節性であると考えられる感冒症状が多発していました。集団登校真っ盛りの時代でしたが、必ず一冬に少なくとも2回は全滅していました。この中にコロナウィルスによるものが含まれていた可能性は高く、私は子供時代に何度もコロナ感染症に罹患していたと考えられます。これが環境によるものと疑う理由は、同おっさん世代でも都会のボンボンは「節々が痛い」と言ったり、「5年ぶりに熱出た」といっていたようなDrがいたことからです。

私たち中高年は慢性疾患にかかっていたり、その予備軍であったりします。そうなるとACE2系は障害されており、後者の機序で重症化しやすいというのは裏付けられます。実際に糖尿病患者ではACE2系は障害されているといわれており、矛盾しません。

  いわゆる変異株は重症化のリスクが高いそうですが、素人ながら若年者における重症化の機序と中高年の重症化の機序は異なるように思われます。前者は過剰な免疫応答の後のCARS様の免疫抑制と感染遷延に伴う多臓器障害のような病態が多いように愚考しますし、後者には全身性のACE2抑制に伴う急激なアンギオテンシン1-7産生低下による交感神経系-炎症亢進システム暴走がかかわっているのではないかと愚考します。

 

 コロナの治療薬としてイベルメクチンが有用視されています。駆虫薬ですが、実は他の駆虫薬にも期待できるのではないでしょうか?ジミナジンも駆虫薬ですが、アンギオテンシン(1-7)-MAS受容体のアゴニストでもあるようです。上記の中高年者の重症化機序が正しいならば、理論的にはこの薬がその抑制に寄与する可能性があると思うのですが。

 これら駆虫薬はその直接作用として病原体を障害する作用を有するとともに、宿主側には抗炎症に働くと思われます。そう考えると上記衛生環境に関連して、思いつくことが。

私たちの世代、小学校時代にはまだ寄生虫に対する駆虫薬を内服している学童もかなりいました。逆にこれらによる寄生が、私たちの免疫環境をマイルドに整えていた可能性もあり、これが中高年における重症化リスク抑える可能性があるのではと勘ぐってしまいますが、いかがでしょうか?

 

 以外と最終兵器は虫に由来するのかもしれません。

 

             平田 学



mh5963ya at 08:23│Comments(0)

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