2013年10月

2013年10月13日

変性風

 昨日は久しぶりにフルで病院まで歩きました。相方にも指摘されていますが、確かにいささかへこんだお腹が、またでてきているような気がします。ジョギングとの併用が必要か?確かにウォーキングが一番体には負担がないが昨今の秋の食欲増進を考えればそれだけでは摂取カロリーをさばけないでしょう。
 

 しかし激しい運動をするべきでない要因がでてきました。少しdyspneaを感じます。呼気も若干延長しているような。温度低下による気道炎にしては咳嗽が少ない。軽い喘息発作なのかもしれません。とりあえずメプチン吸入、長期悪化に備え吸入ステロイドも再開。ステロイドを中断しなくてもこうなったでしょうが、やはり継続しておくべきだったか?こんなことを呼吸器科のT先生に言ったら怒られるでしょう。しかし運動誘発性ではないようなので、原因はというと何かアレルゲン濃度の急激な上昇があるのでしょう。そう思って昨日の天気図を見直すと西高東低?というよりそれに似た春型の気圧配置。冬型の典型はバイカル湖付近から張り出してくる背の高いシベリア高気圧とオホーツクから千島沖の発達した低気圧、そしてこの気圧配置は通常23日は継続します。場合によっては1週間以上継続します。この冬型が継続するにはシベリア高気圧が強いこと、すなわち偏西風が北極付近の寒気を呼び込むのに適した向きと強さであることと、またそれによりシベリアに供給された寒気団から離岸された小寒気団を形成し、日本海中北部で小寒気団を中心としたメソ低気圧様の小型低気圧を発生させこれが東進するにつれ発達し、また東海上に移ってさらに猛烈に発達する。強い冬型はこれを繰り返しているような気がします。上記のメソ低気圧が冬に日本海側に竜巻を起こす原因なのかもしれません。話はそれましたが春先となると偏西風の向きが変わり、シベリア高気圧は弱化し、一部が移動性を呈するようになります。この冬型様ではあるが西には移動性高気圧があるパターンを勝手ですが春型と呼んでいます。じゃーこれがお前の喘息とどう関係があるんだよ?という質問が揚がると思います。黄砂ではないでしょうか?黄砂というよりもそれに付帯する微小物質でしょう。昨日は西よりの風が強かったですし、なんとなく霞がかかったようでした。
 

黄砂はどこから飛んでくるのでしょう。ゴビ砂漠あたりからでした。そんなの日本と関係ねーよ!とおっしゃいますが、一部の日本人はここを通過しています。中東便の日本行はここを通ることが多いと思います。おそらく高高度域での西風成分が強く、飛行時間を短縮できるとともに燃料もセーブできるのが要因でしょう。トルコ出発便の最短コースはおそらくヒマラヤ上空を通過するルートですがおそらく高高度(40000ft=12192m)を飛んでも山に影響され、揺れるのと、風向きの変化が激しいので運行に不向きなのでしょう。ですから皆さんが眠っている間に(僕は飛行機オタク=トビタクでもありますからもちろん寝ずに下方モニターで砂漠を観察していますが)ここを通過しています。飛行機が日本まで運ばれるのですからもっと軽い砂漠の砂なんて現在の私すなわち朝飯前です。ただ真冬自体に黄砂が飛散しにくいのには理由がありそうです。やはり偏西風が関係していそうです。まず冬極期には風に北西成分が強く日本まで流れ込みにくいこと。もう一点はゴビ砂漠自体も大陸高気圧の勢力下にあり、砂が巻き上げられにくいことと想像します。春になって同地域に低気圧が発生するようになると中高度まで砂が巻き上げられ、それが北西から西に変進傾向にある偏西風にのって日本まで運ばれる、このような構造なのではないでしょうか?
 

大脱線ですみません。講義でもこんな感じです。本当は昨日聴いてきた京都敗血症治療セミナーについて言及するつもりでしたが、偏西風に流され明日にしたいと思います。変性風がおそらく原因の喘息用症状はさっきの吸入が効いたせいかましになってきました。

みなさんも体調にはお気を付けください。

 

ステロイドより知識の吸入が必要な麻酔科医 平田学



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2013年10月12日

石の上にも三日坊主

なかなかまたハードな1週間でした。ブログ更新をほぼ1週間も放置していたので反省しつつまず振り返りから。

部下の結婚式については少し書きましたが、そういえば金曜抄読会の内容について言及していませんでした。先週の担当は最近何かと多分野?で活躍中のF君。彼が面白いのは文献に関して麻酔科・集中治療関連の雑誌より持ってくるのではなく、他分野のものから採ってくるくることが多いことです。今回も”The New England Journal of Medicine”からタイトルは忘れてしまいましたが、上部消化管出血における適正輸血量と予後に関する検討だったと思います。周術期管理や手術管理における輸血量と予後に関する文献があるなかで、あえてここをつくのが彼の面白いところ。double-blindedではなかったと思いますが、急性期上部消化管出血例に対し、輸血量制限群(というよりHb値を基準に輸血開始をしているので適応基準厳正化群とした方が正確かも)と非制限群にわけ中期予後だったと思いますが、予後比較をすると予想通り後者のほうが悪いという結論でした。彼の発表では死亡要因について検討されていなかったので、そこが議論の的となったのと、もちろん周術期管理についての検討ではなくまた私達の管理症例との病態、重症度の違いを鑑みて、普段行っている輸血治療基準への影響性について慎重に検討すべきとの言及も他の医局員よりありました。輸血というと私達麻酔科医・集中治療医はアナフィラキシーやTRALIなど急性輸血副作用を想起しがちですが、慢性期の副作用や予後については見識に乏しいのが事実です。内科領域では慢性的な輸血が長期予後を悪くすることが以前より多く指摘されています。生体には鉄を排泄するルートがないため輸血により過剰に投与された鉄は肝臓、心臓、膵臓等に取り込まれそれらの重要臓器に障害をきたします。また造血機能を抑制するため赤血球産生が低下するというパラドックスを生じます。これらが長期予後を悪くしていると考えます。それを考えると周術期の過剰な輸血は避けるべきで鉄動態に基づいた治療計画の検討も重要となります(出血や吸収休止あるいは低下に伴う鉄プール減少値の推定と輸血や製剤投与による総鉄投与量推定。そしてその収支計算)。またプール過剰が予測される場合は安全性に慎重に配慮したうえ、キレート剤、デスフェラールRの投与を周術期に行うことも必要かもしれません。F君のpresentationはそういった意味でも私達に疑問を投げかけてくれたのかもしれません。

月曜日はSV(麻酔科責任者)でしたが、前回ほど荒れず、日が変わる前に帰宅できたと思います。火曜日は研修医の先生の初脊髄クモ膜下麻酔の指導の後、術後回診。昼間たまっている事務仕事をこなした後、夕方からは薬事審議と医療安全の2つの会議に出席後帰宅。水曜日は所用の後、元当院職員のK君と会食。沖縄料理。久しぶりに会い、楽しくアグー豚をつつく。泡盛がすすみ、気づけば5合ほど。ボトルで頼んだ方がよかったか?彼の勤務先での後期研修医の動向などについて情報収集。木曜はAS。責任者の補助員です。人のSVは不思議と荒れません。荒れるのはいつも私とY先生。6時には体が空き、この日は珍しく会議もありませんでした。7時からは部門の戦略会合? 情報交換と同時に親睦を図る。ここでもnominicationが重要性を発揮しました。2時前帰宅。金曜日は1周回って朝の抄読会ですが、今回は臨床麻酔学会の予演。Y専攻医が担当。術後AKIの予後についての検討。彼らしくコンパクトにわかりやすくまとめられています。時間はちょっとオーバー、少し添削するよう申し入れ(AKIN分類は最近は比較的メジャーで、供覧時間もあるので流しても良いのではないかな)。本日の外来は心臓大血管手術に対する説明が3例あった以外は数も少なく15時終了。早々に伊勢丹経由で帰りました。よせばいいのにチーズ売り場にいってしまい、明太子マヨネーズ付きマスカルポーネとクラッカー、干しブドウを購入。土曜日は京都敗血症セミナーだったかな?で、日曜日は運営委員会と予算申請の資料作りが待っているためお預けで、月曜の昼間にいただく予定としています。

来週より悔い改め、朝のウォーキングをフルで再開するとともに早寝早起きに徹したいと思います。ん?だめじゃん!水曜当直で、そのあと直で和歌山学会入り後日帰り。チーン!ローマは1日にしてならず。

 

   石の上にも20年の麻酔科医 平田学



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2013年10月06日

あっさりもこってりも

 今週の私の振り返りをしてみます。
 
  月曜日は外来でした。術前外来の新規が
20件、翌日の患者さんへの前日面談が16件の36件でした。前者では術前のリスク評価を行いつつIC(Informed Consent)を行います。基本的には手術の23週間前です。後者の主な目的はスーパーバイザーによる最終チェックと患者さんの認識。また術前経口補水の適応判断とその指示、術後PCA(Patient Controlled Analgesia)の適応判断とその指示を行います。何とか17時までに終わらせましたが、17時からは管理会議。18時半からは面会約束をしていましたので、それを終えて19時半。手術室内の状況確認をしつつ、会議に使う書類整理をしたら20時となりましたが運動不足気味だったので歩いて帰宅しました。

 
  火曜日はスーパーバイザーでした。予定手術件数は
16件。一番長かったのは腹部手術症例でしたが、下大静脈血栓症を合併、その頭側端は右房内に達していましたので、体外循環下に摘除を行いました。この症例は元々アシスタントであったY先生にお願いしました。出血量は約10000g、退室は午前1時をまわっていました。その間16時には骨盤骨折を合併した多発外傷例に対する救命センターからのヘルプコール。仙骨の骨折がひどくインターベンション(動脈塞栓術を予定したが)では不可能と。第一報時、中央手術室でのガーゼパッキングを要請されていましたが、循環動態が破綻し、動かせないと。昨日のスパーバイザーのO先生を救命センターの手術室に緊急派遣。ただ一人での管理では危険と考えられたので肺切除の麻酔管理をしていたF君の麻酔管理を引き継ぎ、彼を追加派遣しました。ガーゼパッキングは有効で、循環動態は落ちつきました。救命センタースタッフの皆さんお見事。ただ顎動脈?の出血を合併していたので救命センターアンギオ室に移動し、塞栓術を施行、その後中央手術室に移り、下腿の骨折に対し創外固定とピンニングを行ったため、退室はやはり午前1時をまわりました。

 
  水曜日、前日?今日?午前
2時半に帰宅し、寝付いたのが4時前であったので少し睡眠不足でしたが、午前中のうちに前日症例の回診を行いました。この日は事務仕事に徹し、たまっていたオカレンス報告の勧告書作りをしました。17時からは医療情報システム委員会に参加、その後アポイントなしの面会を仕方なくOKし、帰宅は20時。
 

 木曜日はスーパーバイザーの補助を行うアシスタントでした。ラパロ下腎摘であったため久しぶりの硬膜外穿刺。しかしTh10/11からは挿入困難、11/12もなぜか困難なため、12/1よりやむなく留置しました。この日は大きな問題なく19時には歩いて帰宅し、しっかり寝ました。
 

 金曜日は再び外来。件数は前回より少なめで新患は16件。外来を16時に終了後、この日生じた開心術のルームでのブレーカー作動(モニター関連のみで人工心肺の電気系統には問題ありませんでしたが)があり、16時半より手術室師長、MENさんとともに対策を立案。機材の電源を分散し、それを視覚的に確認できるよう改善する予定です。来週月曜日の心臓手術から適用したいと思います。この夜はロテーターのご苦労さん会2段。先週は”T先生の送別会をかねていましたので、別枠としました。病院近くのみしまさんで。常連の方、騒がしくて申し訳ありませんでした。大変センスの良いお店です。

イタリアン居酒屋ですが、料理ひとつひとつが洗練されていてかつ見た目もきれい。私が気に入ったのはトリッパのトマト煮込みです。牛の第2の胃です。別名ハチノスといわれるのが一般でしょう。第三の胃はセンマイといわれますが、ちなみに岡山ではこの部分をぼろぞうきんという人もあるようです。なんせこのトリッパの煮込みが赤ワインにベストマッチ。今回は酒の神バッカスも参加しており、彼のチョイスで4本のワインをいただきました。2名のローテーターとも熱心に勉強し、仕事ぶりも非常に真面目でした。助けていただきありがとうございました。
 

 土曜日。朝から徒歩で出かけました。前日のトリッパのトマト煮込みのせいででガスパチョが飲みたくなりやまやへ、その途中天一を見つけてしまいました。みなさんは1か月に1回ほど天一のラーメンを食べたくなりませんか?食べずにはおられず入店。こってり、大、麺固め、ネギ大めを注文。当日は夕刻より部下の結婚式があったためビールはやらず。よくラーメンを食べながらビール餃子をしている方を見かけますが、私はこの店ではしません。ここの餃子も個性があっておいしいのですが、ラーメン自体を堪能したいのでしていません。ビールを頼む時は、麺がくるまでに瓶の半分くらいを飲み干します。そのあと麺を中心に食べます。チャーシューと多めのネギはわざと食べずに残しておきます。麺を食べきるとスープが1/4ほどのこっています。もう少しスープを飲んだあと、しょうがの漬けを一盛り投入し、スープのしゅんだチャーシューねぎと混ぜます。これをあてに残りのビールを今度はちびちび飲んでゆきます。至福の時間です。あっさりファンの人には申し訳ありませんが、私は天一の王道はこってりだと思います。結婚式も挨拶がなかったので気楽に飲めました。シャンパンはモエシャンドンで洗練されており料理にマッチ、若い両人の如くでした。

 

 疲れた1週間でしたが本日は来週に向けて英気を養いたいと思います。今日はいがやのローストビーフかな?

 

             永遠のローテーター     平田学

 



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2013年10月02日

光はこだまより早く、のぞみは光より輝かしい

「お・も・い・つ・き」「おもいつき」合掌・・・昨晩も午前様(もちろん仕事で)で、思考能力があまりないので、きょうは自分の趣味の話をします。
 

 私のすきなのは電車、すなわち電車おたく、略して電タクです。私は撮り鉄ではありません。乗り鉄です。みなさんは東海道山陽新幹線のN700Aという車両を知っていますか?出張先で横をとおり過ぎてゆく700型を見た時、車体の側面に”A”の文字を見ると、「アツー・・ッ」です。N700Aの売りは定速走行制御装置。なんの事かさっぱりわからないでしょう?まず説明しなければならないATC(Auto Train Control)。先行列車との間隔と進路状況を考慮して、列車の許容運転速度を示す信号を送信し、その情報に基づき、列車の速度を自動的に制御するシステムをいいます。従って走行している新幹線に220km/hの信号が出ているなら上限速度はそこまでで、それを超えて速度を超過しようとすると自動的に減速される。通常運行される新幹線はこのシステムによって制御されています。しかしN700Aに搭載された列車制御システムはこの遥か上をいっています。このモードに設定するとATCで指令される信号を先読みし、かつ進行路の特徴を認識したうえで、制限ぎりぎりの走行を行うことが可能となっています。これはいうなれば経験の蓄積と人工知能のハイブリッドです。このシステムにより遅延が生じた場合は劇的に効率的に遅延回復を行うことができます。
 

 新幹線のすごいのはこれだけではありません。総合制御システムに関しても世界一です。いくらフランスのTGVの速度が320km/hと早くとも(東北新幹線でも320km/h運転はしています)その運行頻度が全く違います。京都駅、名古屋駅では最頻時は、本線に先行列車が停車し、出発する前に待避線に後発

列車が進入してきます。この間隔はたしか34分と思います。まあヨーロッパではここまであくせくする必要がないからだといわれてしまえばそれまでですが、同時に12線の駅構内を2本の新幹線が運行しても安全を担保できる日本の列車集中制御システムはもちろん世界最高に違いありません。

 テクノ新幹線麻酔科医は実はそんなに無機的存在ではありません。私を含む麻酔科医は、いや外科医にしてもそうでしょう。昔から存在する職人の一表現型なのです。私達は毎日毎日同じことを繰り返し繰り返し習得する。そうです修行鍛錬です。少しうがった考えをする人は、これを同じことしかしない退屈なやり方だ。なんのクリエイティブな側面もないというかもしれません。しかし努力により私達は通常のルーティンの手技は、ほぼ考えることなく進めていけます。心臓外科医が定期手術で体外循環を確立する過程も、僕の私見かもしれませんが、同様と思っています。なぜこのようなルーティン化が

必要なのか?それは麻酔中(手術中)にバリエーションを生じればそこに全脳力、全技術を投入して乗り切る必要があるため、ルーティンワークにそこまで力を割けないからです。逆転の発想ですが、いわゆる緊急事態に備えるために私達は修練しているのです。

 「こんなことができねーなら、おめえに何にもまかせられねー」とうのは現在にもあてはまることと思います。「口を動かさずにまず手を動かせ」というのは、考えなくても手が動くようにしておけという意味なのです。おそらく普段の不断の努力が緊急事態で身を救うのでしょう。

 当院の後期研修医の募集期限はすこし早めですでに締め切られています。しかしとある筋からによると、締め切り後もコンタクトがはかれると(麻酔、集中治療に関わらず)。興味のある方はご連絡よろしくお願いします。

 

 いつかドクターイエローの運転席に座りたい麻酔科医 平田学

 



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