2014年08月
2014年08月10日
テーラーメイド
先週は水曜日に院内ICUの当直。翌日、木曜は昼までお手伝いをした後、昼から約束をしていたため桃山御陵へ。そのあと、夜はいつもいっぱいで入れないラーメン大中へ。この店の売りの一つはチャーシュー。チャーシューにはバラと赤身の2種類。ぼくはどちらも好みです。そこで餃子ではなくチャーシューをあてにビール。その後メインの豚骨ベース、チャーシューたっぷりのラーメンを堪能。チャーシューはバラ、赤身の2種あるいは、コンビネーションが選択可能。面白いのは温泉卵を含め、一部のトッピングが無料。ベースとしては豚骨、海鮮+豚骨の2種から選べますし、キムチ等の追加も可能で、食べ手の要求に合わせたテーラーメイドのラーメンがオーダー可能です。その後、満足して歩いて自宅まで帰宅しました。
翌日の医局会。この日の担当は外科出身のN先生。敗血症性DICについての話。PAMPSが原因となるSIRSが病因となるDICです。炎症と凝固のリンクが病態の本質であるため、当たり前ですが、この両者の治療を同時進行することが重要です。しかしながら敗血症がベースですから、その原因である感染症治療がこの上流にあることは間違いありません。ARDSの特効薬が現時点では存在せず、その根本的治療は原疾患の治療であり、支持療法としては肺保護戦略のみしか見出し得ないのと似ているような気がします。ポイントは治療介入が十分可能な初期の段階で、抗菌薬療法等の原疾患治療が、専門家ではなく、私達素人でもできるマニュアルやガイドラインが実用されているかどうかという点。もちろん日本版敗血症診療ガイドラインなど整備されたものはありますが、その遵守に当たって、いわゆる私達素人も十分に熟知し迅速に適応できるよう準備がなさなければなりません。また血栓性脳梗塞の話と似ていますが、敗血症治療はスピードが命ですから、その治療については専門家の充実した敗血症治療センターにて、DICひいてはMODSが重症化する前からの早期の治療介入が重要であると考えます。
またN先生によると、DICの中、晩期増悪因子として、HMGB1が挙げられ、臓器のリモデルに大きく関わるとのこと。DICの治療においてもその抑制が重要となるようです。
DICにしてもARDSにしてもAKIにしても病態や原因やその増悪メカニズムは複雑かつ多様であるためおそらく一元的にコントロールするためには、シンプルでかつ強力な治療法が存在しなければ難しいのではないでしょうか?そのような方向性に進むより、各病態や病因そして病期に応じたテーラーメイド的治療法を議論する方が、より効率的な治療法であるように見えるのは私だけでしょうか?
平田学
2014年08月02日
8月第一週の勉強会
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昨日は医局会。勉強会は抄読会ではなく来週の研究会で発表するF先生の予演会でした。硬膜外術後鎮痛効果不良に関わる因子につき、背景、術中因子をピックアップし、多重ロジスティック回帰分析を行い関連性を調べたもの。代表的リスク因子は年齢や術中麻薬使用量とのことでしたが、衝撃的だったのは、”麻酔科専門医による穿刺”が有意であったこと。これは指導医を含めた専門医の方が、レジデントの比べ硬膜外穿刺がへたくそだということでしょうかw(゜o゜*)wマジ!?
さてそのあたりの真偽はともかく、個人的に彼に突っ込んで言って欲しいのは、硬膜腔到達予測距離と実測のずれが効果に及ぼす影響はどうなのかという点。とんでもない距離で硬膜外腔にはいれば、効いていない可能性が高いのはあたりまえです。その閾値がどの辺にあるかは興味あるところ。また慣れていない新専攻医が硬膜外穿刺をする場合には推定距離が非常に役立つような気がします。
僕は硬膜外併用全身麻酔の場合、執刀をのりきれば、硬膜外中心の術中鎮痛にシフトし、術後鎮痛効果を予測しています。めったにありませんが、もし全く効いていなければ、術後静脈PCAに変更、あるいは上腹部手術であれば術中の局麻使用量に注意しながら、RSB併用。多少なりとも効いていそうなら麻薬の硬膜外術中投与を行っています。みなさんはどうでしょうか?
8月にはいりさらに暑くなってきましたが、集中力を切らさずに頑張りましょう。
平田 学