2014年11月

2014年11月30日

師走に走らされるのは?

 病院のホームページの麻酔科紹介欄の改変アップを行い、病院管理者による診療科ヒアリングがあり、締めに金曜夕方から保育施設検討に関する委員会に参加し、個人的にはなかなか充実した週後半でした。特に保育所関連の委員会は、知識不足を認識させられました。元々保育園と幼稚園の管轄の違い位しか知らない私にとっては、入園が様々な要因で決定されることにつきあまり知らない状況。一方、女性医師や看護師さんは福祉関係者のように専門語を駆使した議論。太刀打できません。やはり私には絶対的な知識不足があり、書籍、文献による学習が望まれるので、さっそく2(一般論と施設に関する法関連につき)本を買うことにしました。看護師さんは保育所での実習があり、その際行政や法的関連知識についても勉強しているのでしょうか?否、おそらくお子さんの入園時にかなり勉強しているのでしょう。委員会に参加している男性職員も詳しそうでしたから、単純に私の学習不足!反省!

 土曜は昼間院内ICUの日直を行いました。夕方からは麻酔業務のオンコール。現在日曜の朝7時半ですが、呼び出しはありません。あと1時間が私のデューティーの時間です。

ここで呼ばれたら、よっぽど日頃の行いが悪いのでしょう。

 

 明日からは12月。師走です。病院内で師がつく仕事は医師、看護師、薬剤師・・・かなりな部分です。ということは病院も12月は忙しいということでしょう。走らされるのはどの"師"でしょうか?
 2か月前に麻酔科にやってきた1年目研修医2人とICU1か月まわってくれた2年目研修医2人はもう卒業となりました。木曜夜の感謝の会では、みんなもりあがってくれました?いささかワインを飲みすぎましたが(その後、私は締めラーメンでしたが、この日は第一旭ではなく恵比朱さんへ)

 

 明日からは2人の元気な研修医1年目が麻酔科にやってきます。本日はローテート前の

ワークショップ形式の勉強会です。出来るだけモニター、麻酔器に触れてもらうと同時に、エアウェイスコープ、マックグラスを含めたデバイスも用いた気道確保につきシミュレーターを用い、実践したいと思います。

 

                        平田学



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2014年11月20日

ノン・リベラルです

 今日はholiday versionです。世間は平日。しかし、11/20は私の勤める病院の創立記念日。昼から雑用をこなした後、タベルトへ。そうか今日はボジョレーヌーボーの解禁日でもありました。あまり私は騒ぎませんが、カツオと一緒で初物には興味があります。あてはチーズ、黒トリフ入りのブリーです。これで栄養はばっちり。

 

 栄養と言えば、ERAS。最近他科の先生方との話題にもよくのぼります。ERASで重要となっているPGDTですが、それにつけて、最近私、輸液はliberalではないんですと話すとよくニヤニヤされます。彼らの考えるliberalの反対語はhawkishだと思います。確かにここ半年程は私は草食系部長のごとくおとなしくふるまっていますが、確かに自身で分析してもhard-liner系であることは否めません。hard-lineというより、肉食系なのかもしれません。やはりボロがでてきているようです。やっぱりガツガツいくほうがあっています。

 現在興味のあるORTPGDTを含むERASについては、実践につけ、アピールにつけなりふりかまわず突き詰めてみようと思います。

 

 世間は解散総選挙。そのうち各政党が独自性を示すため、アジェンダを提示することになるでしょう。アジェンダとはもともと方向性を示すことと理解しています。医局にとってのアジェンダってなんでしょうか?あまり考えたことがなかったのですが、方向性示すのは重要なので少しまとめてみました。病院のホームページ内診療科欄にアップしていただく予定です。興味ある方はご覧ください。

 

                     平田学



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2014年11月16日

巨人-中日-阪神

 金曜日は麻酔周術期医学研究会。私もHES130導入に伴った術中アルブミン製剤使用量減少を中心に発表しました。いつもながらS先生の講演はアカデミックで明快、さらにS先生ご自身の立ち位置を明確な論拠を持ってストレートにお伝えられていました。座長も言われていましたが、私もS教信者になってしまいそうです。その中で言及されておられたのが、sepsis に対するGDTにおける輸液負荷は早期に多くされているほうが予後がよいのではないかという点。はっと思うところがありました。

 予定手術においてPGDTを施行する上では、安全にかつ大量に使える人工膠質液が重要となります。HES130には血管内皮保護機能があるため、適切な使い方をすれば、臓器保護的に働く可能性が高いと思われます。また早期に使用することにより総輸液量を減らすばかりでなく、その晶質液の占める割合を減らすことが可能となります。晶質液それ自体にはグリコカリックスを中心とした血管内皮障害が報告されているため、高侵襲、長時間手術ではsevere sepsisと同様の病態を示してくると思われます。一方sepsisではGDT中の人工膠質輸液は予後を悪化させるという考えがほとんどです。この違いはごく初期のphaseでの血管内皮障害の有無に依存しているのではないでしょうか?予定手術では重症の糖尿病や膠原病を含む活動性の炎症性疾患がない限り、血管内皮障害はベースにないと思われます。一方sepsisではどうでしょうか?早期からの内皮障害マーカーの上昇を示す報告が多いと思います。私は予定手術例では、比較的早期より充分量の人工膠質液を投与しますが、これは晶質液による血管内皮障害が顕著となる前に可及的に必要量の人工膠質液を入れた方が、人工膠質液による血管内容量保持効果に有利と考えるのが理由の一つです。また内皮障害後の人工膠質投与それ自体により引き起こされる浮腫と続発する臓器障害を危惧しているという理由もあります。すなわち1000mlの出血が認められたから500×3=1500mlの外液輸液を行い、残りの500mlは等価のHESで補おうという旧来のやり方ではすでに後手に回っていると個人的には考えています。話を元に戻します。S先生のおっしゃっていた“sepsisにおいて早期に・・・”の点についてですが、同じ輸液量を投与するのであれば、より早期のほうが、sepsisに伴う血管内皮障害が軽いと考えられ、血管透過も少なく、また輸液自体による血管内皮障害自体も軽度となると私は考えます。こういった点も予後をよくするかもしれない要因の一つになり得れば面白いと考えます。

 そして特別講演のY先生。あれ?少しイントネーションが懐かしいと思っていましたら、愛知県のK市がご実家とのこと。Y先生も聡明な先生で、ICUにおける血糖管理を中心に、また栄養管理も含めてお話されていました。なぜ血糖管理が重要なのか、私のような素人にもわかりやすく、理路整然と説明されました。グルコースクランプ法によるインスリン抵抗性測定やそれに必要な人工膵臓など、まるで内分泌科の先生がやっているようなことをベースにされており、その専門性に感銘しました。あと最後のPRにでてきたカツオのたたきがうまそうで、2次元情報であるはずなのに、3次元情報の立体感を感じました。さらにうまそうな香りという高次元情報まで付帯しているかのようでした。2年後には高知で臨床麻酔学会が催されるということで、是非ともこの京都では私達がほとんど味わうことのできない、異次元カツオを味わいに行きたいと思います。

 
昨日は昼過ぎに関西マンスリーに。怒られそうですが、
1年程参加していませんでした。

8題もでておりました。左房腫瘍摘出術後の左房ない血腫や筋緊張性ジストロフィーの麻酔管理など、興味ある症例を聴講できました。また症例検討会後の特別講演は、普段あまり私達がfocusしない覚醒-抜管について述べられており、興味深く聴かせていただきました。

 

 そういえば
GDTってGIANTS-DRAGONS-TIGERSの頭文字でもありますね。来年のペナントレースはこの3チームがkeyとなるのでしょうか?

                       平田学

 



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2014年11月13日

プロトコール

protoco-l
 
 今週の金曜に第
5回麻酔周術期医学講演会がグランビア京都で行われます。私もHES130を導入して、一年近くがたったので、当科での変化を中心に報告したいと思います。人工膠質自体はPGDTの一部として利用されることが多いので、現在取組み中ではありますが当科でのプロトコールについて、またプロトコールを利用した研修医の先生への輸液管理教育について述べたいと思います。そしてHES130を導入することによって期待されていたアルブミン使用量の適正化につても言及したいと思います。

                          平田学 


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2014年11月09日

神無月の"神麻酔"をめざして

 今週の勉強会はY先生。”Perioperative Medicine Management”と題して、日ごろ私達が当日内服指示を悩む服用薬につき、参考論文を交え提示してくれました。

   

  βブロッカー;継続、ただし周術期死亡を増やしたり、脳血管障害発症率が増えるという報告もあると。

  スタチン;継続。しかしあまり海外ではその効能につき信頼を得ていないようと。

  Caブロッカー;どちらでもよいと。ただしVSAに対して処方されている場合は継続。

  ACEARB;継続と。但し一般的に言われているが、術中低血圧をきたす可能性はある。周術期の予後を考えると有利と。

  利尿薬;継続

  ジゴシン;どちらともいえない。

  亜硝酸薬;非投与でもPMIのリスクを増やすという事実はないと。但しVSAに対し

処方されている場合は継続。

  抗痙攣薬;継続

  抗うつ薬;継続

  SSRI;基本継続だが、術中出血量を増やす可能性があると

  炭酸リチウム;継続

  バルプロ酸、カルバマゼピン;継続

  抗精神病薬;中断により、原疾患の増悪が予測される場合は継続

        ただし、QT延長に注意。また突然死と関連があるといわれている。

  ベンゾジアゼピン;継続

  抗リウマチ薬;MTXは継続(生物学的製剤は海外では一部継続としているものもあるが、

基本中断)

  喘息に対する吸入薬;継続

  テオフィリン;当日は休薬

抗パーキンソン薬等については、今後まとめますとのこと。

個人的にはARBACEの拮抗薬がないので心配であるのが一つ。もう一つは開心術後で、縦隔に癒着をきたし、それによる拡張障害(絞扼といったほうがよいのかもしれないが)がベースにある症例では麻薬や麻酔薬による血管拡張に追随できず、急速補液で代償できない場合、カテコラミンの使用を要するケースがあります。その場合当日にβブロッカーが入っている場合、当然のことながら反応性が悪いケースがあります。さらにARBACEも投与されていると、カテコラミン不応性の遷延性低血圧をきたす場合があり得ます。従ってこのような症例への当日投薬については慎重に考慮すべきと考えます。
 周術期投薬についてさらに習熟し、神麻酔を目指しましょう。 

              

                       平田学

 



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