2016年04月

2016年04月17日

京滋麻酔科医会講演会

 昨週金曜日は第24回京滋麻酔科医会学術講演会がありました。私も異動後初の講演会であったので、参加させていただきました。

第一部は筋弛緩薬によるアナフィラキシーの乳児症例報告。筋弛緩薬によっては初回投与でもアナフィラキシーを生ずることがあるが、その病態なのか?私は一般的に妊娠中は免疫寛容状態にあり、これは胎児側でも同様であると理解してきました。ところが妊娠後期になると胎児の液性免疫系も出生準備段階に入ると考えられ、IgEさえ作り出すことが可能となるそうです。それを裏付けるのが厚生労働省科研の アレルギー疾患に係わる胎内・胎外因子の同定に関する研究“ 。妊娠中の絨毛膜炎や出生後のRSV感染は新生児の反復性喘息をの比率を増やすというもの。すなわち妊娠後期から出生直後の炎症がⅠ型アレルギーが関与する乳児期喘息に影響する可能性があるということ。おおざっぱに前者ではIL6,8は増加し、後者ではTLR-3が増加していたとのこと。IL6では液性免疫、後2者では自然免疫を中心に賦活化し、最終的に局所炎症を増強するものと考えられるます。従って妊娠後期には胎児はⅠ型アレルギー反応をいつでも引き起こせる段階に入っていると想像できます。もし母体が妊娠後期に筋弛緩薬を用いた全身麻酔を受けていたとするなら、少量の筋弛緩薬は胎盤を通過するので、それに対する抗体が産生されていても不思議はありません。また化粧品の一部には4級アンモニウムが含まれてるとのことなので、これがある種の筋弛緩薬と交差性を持つ可能性も否定はできません。当たり前ですが乳児の麻酔を管理することもある私の所属施設でもまったく他人事ではありません。母体の筋弛緩薬暴露の既往、妊娠後期のおよび出生直後の胎児環境あるいは新生児炎症性病態の有無について可能であれば教えていただき、当施設なりの対策を立てていきたいと考えます。

2部は麻酔のメカニズムについてのお話。細かく丁寧に説明され、非常に学術的でありました。が、生化学が苦手な私にとっては少し難解なお話でした。メカニズム解析に関しては一元的なアプローチではなく多次元的なアプローチが必要であるという点で飲み込みました。すみません。もう少ししっかり勉強いたします。

3部はK大学のK先生。高名な先生です。もちろん専門医制度について少し突っ込んだお話も出ていました。どうなるんでしょうか?麻酔科専門医(実は当時は2階部分を専門医としておらずいきなり指導医試験でした)試験には実技試験があり、K先生もよく試験官をされていたそうです。講演の枕の部分で、15年ほど前に実技試験のために京都に来られた時のエピソードを話しておられました。両大学とどちらかの日赤に行ったと思うとおっしゃっていましたが、じつはその時の受験者が私でした。実技中は私のペースで施行できるよう配慮されておられましたし、合間にも気さくに声をかけていただきました。当時私が救急領域に興味があることを申しあげると、K大も救急に力をいれているから、興味があれば見学にきてくださいと優しくお話しいただきました。この言葉が救急科専門医を取得する一因であったと言っても過言ではありません。

 

前施設にはよく徒歩で行きましたが、現施設はどうでしょうか?翌々日の日曜日に敢行してみました。本町通りを北上。なんと前施設近傍でこの日日勤で3月まで指導していた研修医の先生と偶然遭遇。
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さらに鴨川左岸を北上。
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今年はカープが優勝するのでしょうか?三条大橋を渡り、三条小橋へ。まだ高瀬川沿いの桜が残っていました。
河原町通りを北上、丸太町通りにぶつかった時点で左折。御所南側を西進し閉めて2時間10分。ただし地震での登院となればこのルートは無理で、もちろん許可があればの話ですが、十分に耐震補強された名神高速あるいは新幹線の橋を渡らなければなりません。場合によっては水量が少なければ自力(かなり多くの荷物を背負っていると思いますが)で鴨川を渡河しなければならないかもしれません。左岸側と右岸側の物流が分断される可能性もあり、もしもの時は陸自による緊急架橋も視野に入れておく必要性があるのかもしれません。

 

                             平田学

 



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2016年04月03日

洛中の名桜

 満開と聞いたので、少し遠出してみました。 
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  いつもの疏水の桜です。見事に咲いております。

 御所まで足を伸ばしてみました。久しぶりに来ましたが、中は広々としています。
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 蛤御門です。長州藩が勝っていたら維新は早くなったのでしょうか?

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 その維新にもかかわった水戸藩邸あとです。
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 その前にはありがい神社があります。

足腰に効く護王神社です。イノシシがシンボルなのでしょうか、イノシシ神社とも呼ばれています。しかし申年なので猿の絵馬が奉納されています。
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  ここは先日終了した朝の連ドラの主人公広岡浅子の生誕地でした。
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 この近傍に新しい勤務先があります。
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  救命センターも手術室もこの棟にあります。研修で知りましたが、近い将来建て替えの計画があるそうです。
 京都らしいエリアに職場が移り、真新しいばかりです。ここは全国で初めて救命救急センターができた施設の一つです。もちろん高度急性期病院としての機能維持をはかっていくこととなると思います。そのためにキーとなるのは、救急医療とそれを支える集中治療。そして高難易度手術をサポートする周術期管理だと考えます。それらに興味の有るかたは病院ホームページにアクセスいただければありがたいと存じます。医師、看護師、臨床工学士を含むメディカルスタッフの方々大歓迎です。麻酔科医については公募しておりますのでホームページをご参照ください。
 帰りがけ大岩山の山桜も見てきました。下段の写真、霞んではいますが、多くの人で賑わっているであろう梅田のビル群が写っています。けなげに、見るひとも少ないながら見事な一人咲きです。
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 歴史ある施設でみなさんが満開の花を咲かせるのを心待ちにしています。

 

                      平田学

 



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