2020年04月

2020年04月26日

新星の時代

 うちに来てくれたフレッシュマンの2人ですが、予想以上に頑張ってくれていると思います。最初はおぼつかなかった硬膜外腔穿刺も簡単な症例では、見守るだけでできるのが大半になっている気がします。昨年度までは、真夜中の解離の管理も私たち爺医が一人で対応しなければならなかったのですが、今は2人がフロントラインに立ってくれて、私たちの負担が減っているよう思います。部員も2人をしっかり教えようとやる気を出してくれており、部内の結束が強くなっていると思われます。学会はWEB開催となり、これはもちろん初めてのことですが、彼らにとっては激動の時代に麻酔科の門をたたいたということになるのでしょう。だからこそ彼らをしっかり育ててゆく必要性があるのだと思います。半年ほどで特殊症例の経験はできそうなので、もともとの研修計画に比べ、1年程早そうと予測しています。であれば、心臓麻酔の独り立ちに備え、人工心肺の知識習熟を中心とするME研修を挟むのも手だと考えています。

 時代は変わるのでしょうが、その時代という言葉を題名とした曲に再び心が打たれます。中島みゆきさんは30年以上も前に今のこの状況を見通し、エールを送る曲を作っていたのでしょうか?悲しみやつらさの先に必ず再生があること。その悲しみやつらさを無駄にするのではなく、皆で共有して前向きの力に変えていこうという強いメッセージを感じます。聞いているとこの時代の変換期を耐え抜いてゆく元気が湧いてきます。地上の星は20年前。その歌詞も価値観が根本的に変わる激動の時代を予言しているかのよう。先導するべき主義あるいは価値観がすでに天にない(すでに意味を持たなくなっている)のに皆はまだ空虚な空を見続けていること。今後探すべき星(主義、価値観)は地上すなわち私たちの身近あるいは私たち自身にあると。私たちに対する警告と進言のように思えます。中島みゆき予言者説は眉唾ですが、言葉というものはこれほど強いメッセージ性を持つものだと再認識しました。
 新人二人は私たちにとってはまばゆい新星です。新星が成長し、太陽の時代となり、周りを明るく照らしてくれるまで、しっかり見守りたいと思います。

                         平田 学

 

 



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