終わらない一年元旦一人小読会

2013年12月30日

回帰分析

 これは竹内まりあファンからも、浅田次郎ファンからもお叱りをうけるかもしれない。

共通点がある。僕は月島慕情を読んだときに、「ああ、これはだれかの歌詞にある。」と思った。浅田の主人公は絶対的に幸せになるケースは少ない。しかしながらそのエピソードの中で相手の気持ちを考え、葛藤する姿がにじみ出ている。そして主人公はジレンマを感じつつも、最終的には相手を思うあまり(自分の幸せを考えず、相手の幸せをひたむきに願って)自分の幸福を追求しない。竹内まりあのにもこの心の葛藤を感じる。多分主人公に責任はなかったにしろ、別れざるを得なかった二人。ただその過程には後悔の念が感じられる。とくに主人公には。少し男の方が子供だったのかもしれない。しかしながらこの男性にも歌詞からすると全く悪意を感じない。いや実直、生真面目な人間過ぎたのでしょう。主人公は将来的な破局を予期し別れたのかもしれません。やはり、自分とは合わないと。そうなれば、彼のためを思って、彼女から無理に別れ話を切り出したのかも。彼を思う上での行動だったのかもしれません。このようなかっこよさは浅田の女主人公の中にも見られます。ひょっとして私達男が自慢げに、かっこよく別れたとクールに話ているケースにも女性の優しさに演出されているシナリオが存在しているのでしょう。

 これは何も男女の恋愛だけに限りません。一見すると頑固おやじとやんちゃ娘、これは実はおセンチなおやじと大人な娘。実直真面目教師と不良生徒、これは非挫折者と大人すぎる子供にも当てはまるかもしれません。

 久しぶりに竹内まりあが心に響きました。私もいつまでったても大人になれてないなー。

       

                      平田学



mh5963ya at 15:45│Comments(0)

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